PMSよりも重い月経前不快気分障害とは

毎月訪れる生理の日に、体の不調や気分の不調が起きるのは本当につらいものがあります。
月経前症候群(PMS)は、月経前の3~10日の期間に続く精神的な不調や身体的な不調で、月経が来るとともに不調が減退したり消えることが特徴的な疾患です。

月経のある女性の約50~70%の人がPMSに悩んでいますが、そのうち5%の人がPMDDと呼ばれる状態だと言われています。
PMDDと言うのは、月経前不快気分障害とも呼ばれている病気です。
PMSの中でも、特に精神症状が強い場合にPMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれます。

中には自傷行為にまで至るケースや自殺願望を抱くケース、攻撃的になって暴言や暴力をふるうケースもあるため、うつ病などの精神障害だと誤診されることもあります。
しかし精神障害との大きな違いは、PMDDの場合は生理が始まると1~2日で症状が消えることが特徴です。
自殺願望が起きることもあるため、PMSよりも深刻で重症な状態だと考えられています。

激しいイライラや情緒不安定が原因で、学校や職場での人間関係が上手くいかなくなり、学校や社会から孤立したり、異性との関係にも支障を来すなど日常生活でも様々な支障がでてきます。
家庭不和や離婚に繋がっているケースもあります。

このように、PMDDを放置して症状を悪化させると、人生が台無しになる可能性もあります。
大好きな異性とのお別れは女性であれば誰もがつらい体験でしょう。
しかしお別れの原因がイライラして暴力をふるってしまったからなどというケースでは、自殺願望や自傷行為が出てしまうこともあり得ることでしょう。

生理のつらさは異性にはなかなか理解してもらえませんが、女性であるなら尚更の事、この病気のことを正しく知っておくことが重要です。
生理前のイライラや抑うつ気分、情緒不安定、死んでしまいたくなるくらいの落ち込みなどがあるけど、生理が終わったら「どうしてあんなにクヨクヨと激しく落ち込んでいたのだろう」と不思議に思うことはありませんか。
生理前になるとなぜかいつも攻撃的になって友だちや家族に当たり散らしてしまって後悔することはありませんか。

これらの症状がある人は、あなたの性格が悪いのではなく、PMDDという病気のせいかもしれません。
日常生活に支障を来している場合は、婦人科で治療を受けることで楽になる可能性が高い疾患です。

PMDD診断でセルフチェックしてみよう

PMDDのセルフチェックは、過去1年間の月経周期のほとんどで、生理前1週間に次のような症状があるかどうかをチェックします。

  1. 激しい抑うつ気分や絶望感、自分は全くダメだという気持ちになることがある
  2. 激しい不安や緊張、苛立ちなどの感情がある
  3. 激しい情緒不安定がある(例えば急に悲しくなって泣きたくなる、涙もろくなる、拒否されることに対する過敏反応がある)
  4. 激しい怒りが持続する、怒りっぽくなる、対人関係が悪化する
  5. 日常生活や社会生活、友人、趣味などに対して興味がなくなる
  6. 集中できない
  7. だるい、疲れやすい、気力が湧かない
  8. 食欲が抑えられなくなったり、過食や特定の食べ物への渇望がある
  9. 過眠または不眠がある
  10. 何かに圧倒される感じや自分をコントロールできないと感じる
  11. その他の体の症状がある(例えば、乳房の張りや痛みやしこり、頭痛、関節痛、筋肉痛、体重の増加など)

セルフチェックは、このうち5つ以上でYESがある場合、そして生理が始まって2~3日以内にその症状がなくなり、生理後1週間は症状がない場合はPMDDの可能性が高いと言えます。
ただし、1~4のうちいずれか1つはYESであるということが前提条件となります。

PMDDの可能性が高い人が自分自身でできることとしては、基礎体温をつけることをおすすめします。
基礎体温をつけると、そろそろ生理が近いなと判ります。心の準備もできるでしょう。そして、恥ずかしがらずに婦人科を受診しましょう。PMDDは婦人科で治療をすれば、楽になる疾患です。あなたの人生が台無しになる前に、あなたの大切な友人や恋人や家族との関係にヒビが入る前に、婦人科へ行って診察や治療を受けましょう。
あなたの友人や恋人やご家族も、どうして時々急にイライラしたり情緒不安定になるのだろうと心配しているでしょう。あなたとあなたの大切な人のために、ぜひ婦人科へ足を運んでください。